2019年12月9日(月)の夜8時から
日本テレビで放送の女芸人No.1決定戦、
『THE W(ザ・ダブリュー)』!
今年は3時のヒロインが優勝を果たし、
大会を締めくくりましたね。
しかし今年もネットでは酷評されており、
全体としては「つまらない」「面白くない」
と批判されているようですね。
実際のところTHE Wは大会として
何が面白くないのでしょうか?
芸人たちのネタなのか、
それとも大会の構成なのか。
今回の放送を見た上で筆者からの目線で
THE Wを総括してみようと思います。
ネタの感想や芸人としての立ち振る舞い、
大会全体に対して評価してみますね。
かなり個人的な感想が盛りだくさんなので、
的外れな意見も含まれるかもしれません。
あらかじめご了承ください。
女芸人No.1決定戦THE W2019のネタ感想
Aブロック
1番:そのこ
車掌ネタそのものは面白いネタだと思います。
ただパンチが足りなかったという点で、
他の芸人よりも実力不足だったかも。
そのこさんだけではないのですが、
敗退確定後に何か面白い一言を言えるような
小ボケや余力を用意しておくべきですね。
スベりそうな”去り際ボケ”だとしても
司会者は必ず拾ってくれます。
2番:にぼしいわし
個人的にシュールで好きな芸風でしたが、
素朴すぎ大会向きではないかも。
ただ敗退確定後の「大阪帰れってこと?」は
哀愁が漂っていていいと思います。
もう少しやさぐれてみて「やけ酒」くらいの
捨て台詞は言ってもいいかもしれません。
3番:123☆45
岩手県の田舎ネタはかなり良かったです。
しかし田舎キャラを解くのが早すぎる。
あのキャラでまだ引っ張れた空気感は
確実にあったので非常にもったいない。
1回戦では勇気を持って最終決戦に備えて
田舎キャラを定着させて伏線を散りばめる、
最終決戦で田舎キャラを解いて伏線回収。
といった構成なら優勝の可能性はグッと
上がるかもしれません。
そのためにもボケとツッコミのタイミングや
スキルをさらに鍛えていくといいですね。
4番:ハルカラ
奥様同士によるコントは関心度も高く、
面白い要素が多く含められます。
そこで王道となる材料が旦那や家庭内の
「ステータス差」ではないでしょうか。
それが見たかったです。
ところがハルカラが用意したのは「不倫」。
1年間を王道で勝負し続けた結果、
不倫ネタが良かったのであればいいです。
しかしステータス差で背景が見えてから
最終決戦で不倫を持ってきたら、
闇を感じる面白さが味わえたかも。
5番:3時のヒロイン
アンバランスな見た目に反して、
ボケとツッコミのバランスが良い。
ネタが終わった後もボケる余力もあり、
一番風格があったかもしれない
Bブロック
1番:おかずクラブ
オカリナの見た目に反したキャラ設定、
もてあそぶゆいPという構図は
おかずクラブ独特の世界観ですね。
ただ世界観が想像しにくいのと
ゴールが見えなすぎてイメージが
しづらい雰囲気もありました。
もう少しキャラクターの生々しさが
欲しいところでしょうかね。
身近な存在感が欲しいというか、
共感できるポイントがないというか。
2番:はなしょー
いじわる姑と健気な嫁の日常的な夕飯。
冗談交じり姑に対して嫁のブラックな
逆襲ネタが面白かったですね。
思いがけない形勢逆転に心地良さと
恐怖感を覚えました。
3番:阿佐ヶ谷姉妹
古いギャグを惜しげも無く披露し、
おばさん感を完全に使いこなしました。
王者の貫禄を感じましたね。
堅物な学校の先生と調子乗りがちな
お母さんという誰も損しなさそうな
ほんわかした空気が良かったです。
4番:つぼみ大革命
序盤の段階でネタの展開が読めたにも
関わらずテンポも良くて面白かったです。
畳み掛けるように途中で人数がドッと
増えた瞬間はグダリそうで不安でしたが、
長引かせずにスッと違うボケの展開に
持っていったのが良かったです。
癖になるキャラも出てきましたし、
ツッコミも一切埋もれませんでしたね。
人数が多いことのメリットが存分に
発揮されていたネタでした。
5番:紺野ぶるま
「働きたくない」というクズな先生が
卒業生たちに送る言葉。
これまでの狂気じみた女性とは
一線を画したネタですね。
紺野ぶるま節は今年も健在でした。
ただ一つだけもったいないと感じたのが
BGMの使い方です。
ずーっとGReeeeNが流れてばかりで
マンネリ感が否めません。
起伏がなくてツボがわからない。
あばれる君を真似る危険性もありますが、
無音から始めてもいいかもしれません。
キャラ設定がいいだけにもったいない。
最終決戦
先手:はなしょー
間を使う際に表情で笑わせる能力は
演技派ならではの面白さ。
おママごとで発狂しだす先生のキャラも
引き込まれる魅力がありましたね。
演技力も高くて安定している。
ストーリーの構成よりも芸人としての
キャラや演技力が光ったネタだと、
個人的に感じました。
後手:3時のヒロイン
ネタを通して「あっは〜ん」だけが
ボケのポイントとなるシンプルさ。
様々なタイミングやバリエーションで
「あっは〜ん」のボケを盛り込むのが
自信を感じさせてくれましたね。
シンプルに4分間どれだけ盛り込めたか、
非常に完成度の高いネタだと思います。
良い意味でボケ方がクラシカルなので、
ツッコミの高い技術があるからこそ
成立するネタかもしれません。
THE W2019全体の評価!煽りVTRは?
今回は2組による対戦形式ではなく、
5組で1つの枠を争う形式でした。
そしてしっかり審査員を用意し、
よりコンテスト感を高めましたね。
ただ5組に分けてしまった対戦形式、
ここに盛り上がりを欠いてしまった
原因があると思います。
前回、前々回までは直接対決によって
熾烈な争いが展開されました。
その緊張感を生む重要なスパイスが、
「煽りVTR」です。
2組による対決だからこそ、
スポーツ的いや格闘技的な雰囲気を
作ることができるんですよね。
煽りVTRは動画編集の腕次第で
一気に引き込むことができます。
PRIDEの熱がそうであったように。
そして使用されるBGMのセンスが
良ければ最高のクオリティとなるので
ネタ前にボルテージを上げられるんです。
煽りVTRって日本独自の文化であり、
対決系では必須とも言えますね。
現に「あの曲かっこいい!」
「誰の曲?」「バンド名や曲名は?」と
話題になっていたわけですから。
視聴者の興味を引き立てることが出来ます。
しかし5組にしてしまったことで、
せっかく定着しつつあった煽りVTRが
ただの紹介VTRになってしまいました。
M-1グランプリやキングオブコントと
差別化を図るいい要素だっただけに、
運営側はやめてしまったわけです。
参加者は女性芸人に限定される大会、
ただでさえ試行錯誤している段階で、
定着しつつあった”良さ”を捨てるのは
いかがなものかと思いますね。
大会に女性芸人しかいないせいか、
緊張感が伝わりにくいのがTHE W。
生き様や本気度を見せるためにも、
もう一度「煽りVTR」について
考え直してみてはいかがでしょうか。
THE W(ザ ダブリュー)は面白い?
審査員のハイヒールリンゴさんが
「女芸人の地位がまだ上がらない」
と発言していたように、
まだまだ男性芸人とレベルや技術に
差があるのかもしれません。
筆者は女性芸人を本当に尊敬していて、
ようやくTHE Wのような大会が
出てきたと喜んでいました。
しかし大会側が良い意味で差別化を図り
築き上げていた文化を消してしまうと、
また一から作り直さなければいけません。
毎年欠かさず視聴している筆者にとって
THE Wは女性芸人が本当に活躍して
輝ける場所だと願っています。
運営側には今一度「何が盛り上がるのか」
「何が惹きつけるのか」見直してもらい、
来年に生かしてほしいですね。
そして参加する女性芸人たちにも、
「何がウケるのか」「何がツボるのか」
表情、タイミング、声量、ワードチョイス
といった根底から見つめ直していただき、
とにかく盛り上がる大会になるよう
心がけてもらいたいです。
おそらく出場する芸人たちは
「優勝したい」の一心でしょうが、
視聴者は”大会”を見ているのです。
運営、スタッフ、出演者、出場芸人が
一丸となって”面白い大会”になるように
ベクトルを合わせて盛り上げてほしい。
毎年欠かさず視聴している者として、
女性の活躍を心から強く願っております。
来年も楽しみにしていますね!
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